他人を株主に入れてはいけない(長坂)
今日は資産税の研修会に行ってきました。
株式の事業承継にかかる相続税の納税猶予の話題はかなりあちこちで盛り上がっていますが
今日の講師の先生はその制度についてはかなり否定的でした。
(相続税の納税猶予の規定って何?ということについては会計ニュースに概略を載せたことがあるのでここでは割愛します。)
理由は、
このご時世5年後先のことは誰も予想できないのに
雇用8割を守る約束なんてリスクが高すぎる。
途中で要件をはずれたら、本税を納めるだけでなく、
莫大な利子税がかかる。
20年後に要件を外れたことを想像したら怖すぎる
ということでした。
なるほど。確かにそうです。
会社によっては業績が安定していて5年間の予想が立つ場合もあるでしょうし
この制度に興味を持たれている経営者の方も多いかと思います。
実際に適用するかどうかは大きな決断となるのは間違いないので
今、とりあえずできることは、
この規定を選択することができるか、という調査と
いざというとき選択可能とするための準備をしておくこと(可能ならば)
とにかく先のことと思わず、考えておくこと。
と、私は思います。
当社のお客様については法人決算の都度、検討させていただいています。
その際、社長様の事業承継についてのお考えについてお話しいただけるとありがたいです。
今日は株式評価の話題がメインでしたので
納税猶予の話はそれで終わりでした。
非上場会社の株式の評価については悩ましい論点がテンコ盛りです。
何度このテーマの研修に出ても、新たな知識を得て帰ることができます。
今日もとても有意義な研修でした。
表題の「他人に株を持たせるな」は
少数株主の権利主張の怖さと
いずれその人から社長の親族が買い戻すときの価格についてのトラブルやリスク
についてでした。
勘の良い人はそれだけで何か想像できてしまうかもしれませんが
実際の判例を交えて、こうすればよいという「正解」のない事案の
考え方と方向性を教えていただけました。(さすが有料研修)
純粋なM&Aの場合などは比較的よいのですが
同族間、従業員やメインバンクとの取引、関係会社との取引など
法人が絡む場合の株の売買の価額の決定については
大きな税務上のリスクが伴います。
ましてや、株価計算をせずに売買することは危険ですので
みなさんどうかご注意くださいませ。