愛猫の病気に思うこと(久永)

今日は、悲しかったけれど、とても勉強になった出来事をお話したいと思います。

今年4月桜が満開ののどかな土曜日のこと、実家の姉から「動物病院に行くからついて来て」と連絡。数日前から体調を崩していた実家の愛猫「メイ」の検査結果が出るから、一緒に聞いて欲しいというのです。

結果は白血病で余命数ヶ月。選択できる治療方法は2種類。まず、積極的な方法として抗がん剤治療、しかし、副作用ですぐ死に至るケースもある。次に、消極的な方法として、白血球の増殖を抑え、できるだけ普通の生活を送れるようにする。

先生は、何度聞いても頭の中が整理できない私達姉妹に、「メイちゃんにとって最良の方法、ご家族が納得する方法を選んでください。」と、長い時間をかけて丁寧に説明をしてくださいました。

その後、セカンドオピニオン(猫に?と笑わないでくださいね。)で他の病院にもかかるなど右往左往。結局、病院に行くことにひどくストレスを感じるメイのことを考え、通院回数が少なくてすむ後者の方法を選択することに。2週間に一度、メイの状態(食事のとり方や排泄物の状態など)を報告し、その都度、薬の種類や量を変えては様子を見るという作業を繰り返し、なんとか症状も抑えられ、穏やかに時が流れています。

「排泄物が柔らかいのはこういう理由が考えられます。だから薬をこういうのに変えてみます。」といつも丁寧に説明をしてくださるということで、家族は全面的に先生を信頼しています。そんな話の中で、姉がとても印象的なことを言いました。セカンドオピニオンで訪れた病院でのこと。「こんな最新鋭の診療機器があります。」「白血病とは...」と知識のありったけを披露され、何か違和感を感じて帰って来たというのです。

お客様が何を望んでいるのか、どうしたらすっきりと納得して最良の方法を選択してもらうことができるのか...いつもそれぞれのお客様の立場に立って、一生懸命知恵をしぼり、丁寧な対応をしなければ...私の仕事も全く同じ。あらためて大切なことを再確認することができました。

もう一度、家族とメイが一緒に桜の季節を迎えられることを願いつつ、こう感じたことをしっかり心にとめて、前進していきたいと思います。