ネパールへ行ってきました。(長谷川久美子)
随分前、ゴールデンウィークの話になりますが、ネパールへ行ってきました。
ネパールといっても高山に登るためというわけではなく、日本で言う東海自然歩道のような道を歩くもの。ネパールの8,000m級の山々を眺めながらハイキングを楽しむためです。残念ながら、あまりカラッと晴天とはいかず、少し見えただけでしたが。
しかし、高い山に登るよりももっとたくさんのものと出会うことができました。
ネパールの山岳地帯に暮らしている人々にとっては、まさに生活道路。家々の間をぬって道が続いています。舗装もしていないし、でこぼこだらけ、荷物を運ぶ動物の落し物もたくさん落ちています。
庭先でたらいに座り身体を洗ってもらう子供、開け放たれた玄関からみえる日々の暮らしの様子。勉強時間よりも長い通学時間をかけて何キロも歩いて学校へ通う子供たち。
いつでもボタン一つでつく電気や清潔な水、何でもそろうコンビニ、日本での当たり前が何もない暮らし。スタッフバック一杯、便利な生活用品を詰め込んで、ポーターの人に運んでもらい、貴重品とわずかな身の回り品だけを持ってのんびりハイキングする私たち。
生まれ落ちた場所が違うだけ、たったそれだけ。それだけで、生活者と旅行者、こんなに違う。
テレビ番組などで観たことはありましたが、実際にその場に自分がたってみると、表現のしようのない複雑な思いにとらわれました。
1日、24時間という時間はすべての人に同じように与えられたものだとずっと思っていましたが、ここでの24時間と私たちの24時間は、明らかに違うものだと。
首都カトマンズ、ポカラ、山岳地帯とネパール国内を移動しましたが、それぞれで観るもの、出会う人々、違ったかたちで心に残りました。
これまで、海外というと有名な観光地や史跡、大都会、整備された旅行者向けのリゾート地にばかり目を向けてきました。
もう半年近くなるのに、いまだにネパールで受けた思い、感じた事が自分の中で消化できていない感じがするくらい強烈な旅になりました。
登山がきっかけで行くことになったネパールでしたが、予想もしない全然別の何かをもらって帰ってきた気がします。何となく、またきっと、行くだろうなと思っています。
(お腹もこわしましたし、いろいろ大変だったのも事実ですが)
何がとは言えませんが、とってもいいところです。
機会があれば、是非一度行ってみてください。