人生はラッキーとアンラッキーの繰り返し?!(久永)

先日、『プロゴルファーも知らない優勝請負人キャディのシークレットメモ』という本を読みました。現役最強のプロキャディ、男女通算24勝、メジャーで5勝をあげているゴルフ界の優勝請負人と呼ばれる清水重憲さんの著書です。昨年の賞金女王イ・ボミのキャディとしても知られています。

運動不足解消にと、ゴルフに本腰を入れ始めたものの、なかなか上達せず悩んでいたところ、偶然、本屋さんでめぐりあったのがこの本でした。『観戦も楽しくなるスコアも縮まる! プロキャディのテクニックにはスコアアップのポイントが沢山!!勝利には必ず「裏付け」がある!!アマチュアゴルファーへ贈るスコアアップテクニック』とわくわくするような謳い文句。

ところが、読み進むうち、『なんだか、これって人生、仕事、色んなことに通じてるじゃん!!おもしろい!!』ということに。

清水さんは、田中秀道プロのキャディをやった1998年からの4年間が正直厳しかった。毎日のようにお説教を受け、やめようと思った事が何度もあったけれども、プロゴルファーとの接し方を徹底的に叩き込んでくれた田中秀道プロの教えが、ぼくの基本です。とおっしゃっています。

田中秀道プロの教えの一つに、『まずは否定するな』というのがあるそうです。相手の言うことが100%違っていると思っても、まず同意する。グリーンで傾斜を読む際に、プロが『ここはスライスだね』と明らかに逆の見解を示したとしても、まずは『確かにここってスライスに見えますよね』と一旦同意してから、『ちょっとこっちからも見てもらえますか?』といいながら、自分のデータなど意見を付け加える。そして、スライスじゃなくてフックだと伝える。いきなり否定するのでは無くて、ワンクッション入れて相手の意見を受け入れながら、正しい方向に誘導する。こんな相手の立場や気持ちを考えたやり取りができれば、お客様や同僚との関係ももっともっとうまくいきそうです。ついつい自分の意見を相手に押し付けていることがなかっただろうか?これまでの自分を考えると反省しきりです。

 また、『ゴルフはラッキーとアンラッキーでできている』という章がありました。ゴルフは自然条件に影響を受けやすく、風を読んでも突然変わってしまいワンオンならずということもあります。ナイスショットでもボールが落ちたところによっては、イレギュラーな跳ね方をして池ポチャなんてことも。逆に、池ポチャを免れて『ラッキー!!』と大喜びすることも。つまり、ラッキーとアンラッキーは同じ数だけくるということ。しかし、プロでも、意外とこのラッキーをすぐ忘れてしまう、それどころか気付かない、そして、アンラッキーを忘れられずいつまでも引きずってしまい悪循環に陥ることがあると清水さん。人生もラッキーとアンラッキーの繰り返し。私の今までの人生を振り返ると、今の自分があるのは、ほとんど偶然。ラッキーの積み重ねだったように思います。確かに、自分自身一生懸命努力したなあと思える時期もありましたが、やはり、その時、周りにはいろんな人がいてくれて支えてもらっていたはず。たくさんの素敵な先輩や仲間に囲まれて仕事ができる今日もまさに奇跡。ラッキーとしか言いようがありません。じゃあ、それと同じだけのアンラッキーがあったのか...。なんでも都合よくとらえる私は、アンラッキーはあまり思い出せません。それもまたラッキー。これからも、『ラッキーであること』に感謝と、逃げられないように正直に日々過ごしていきたいです。

 『結局、この本を読んで、ゴルフの腕前は上がったのか』ときかれると、少し困ってしまいますが、仕事も休日も楽しんでいることは間違いありません。