労働者派遣事業の許可更新について(名古屋事務所・林)

今回は労働者派遣事業の許可更新や特定労働者派遣事業者から(一般)労働者派遣事業者への切替更新時に許可申請事業主に関する財産的基礎の要件を満たさなかった場合のお話をしたいと思います。

 

この労働者派遣事業の許可更新や特定から一般への切り替え申請時において、直近の決算にて以下の財産的基礎の要件を満たしていなければなりません。

 

 <許可申請事業主に関する財産的基礎の要件>

  1. 資産(繰延資産及び営業権を除く。)の総額から負債の総額を控除した額(以下「基準資産額」という。)が2,000万円に当該事業主が労働者派遣事業を行う(ことを予定する)事業所の数を乗じた額以上であること。
  2. 1.の基準資産額が、負債の総額の7分の1以上であること。
  3. 事業資金として自己名義の現金・預金の額が1,500万円に当該事業主が労働者派遣事業を行う(ことを予定する)事業所の数を乗じた額以上であること。

 

 

ただし、増資等を行って基準資産額又は自己名義の現金・預金の額が増加させる、中間決算又は月次決算により財産的基礎の要件を満たすような場合は、公認会計士又は監査法人による監査証明(注1)があれば、申請を行うことができることとなっています。

 

(注1)

許可の更新の場合は、「合意された手続」による「合意された手続実施結果報告書」の提出でよいですが、特定から一般への切替や事業所の増設申請の場合は「監査」による「監査報告書」の提出する必要があります。この「合意された手続」と「監査」では手続のボリュームは大きくことなり、「監査」になると所要時間や費用も大きくなることが一般的です。

 

今年に入り、特定から一般への切替に関するお問い合わせを多く頂いております。その理由としては、平成27 年9月30 日から(旧)一般労働者派遣事業及び(旧)特定労働者派遣事業は廃止となり、労働者派遣事業の実施を希望するすべての事業主は、厚生労働大臣に「労働者派遣事業」の許可を受けなければならない法改正があり、一定の要件を条件に(旧)特定労働者派遣事業を行うことができるとされる経過措置の期間である平成27 年9月30 日から平成30 年9月29 日までの3年間の満期が近づいているからです。

稀に、この段階において上記の財産的基礎の要件を満たしていないことに気付かれ慌てられる事業者の方もいらっしゃいます。

かがやきグループにおいて、当該許可更新等に関する豊富な経験から、このような場合に対するアドバイス等も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。