アナログのすすめ 2(静岡事務所:髙橋)

 最近、また見直されているものがあります。それは、カセットテープです。
若い人には、分からない人がいるかもしれませんので、少し説明します。
 カセットテープは、オランダのフィリップ社が開発した録音する規格です。
それまでは、オープンリールテープという大きなリールにテープを巻き付けたものに録音していました。超小型化され、デッキ本体も小さくなり、テープを巻き付ける必要が無く、気軽に音楽を録音再生することができるようになりました。
その後、ソニーから「ウォークマン」という画期的な商品が発売され、家の中だけで無く、音楽を外へ持ち出す事ができるようになり、世界的にヒットしました。
 カセットテープの後、音はいいがテープが大きい「Lカセット」、もっと小型化した「マイクロカセット」(音が悪くメモ用でしたが)など色々な規格が出てきましたが、パッとせず、そして本命の「MD」が一般的になりました。さらにアップルから「i-pod」が発売され、CDからリッピングして聞くようになり、ネットが普及すると曲をダウンロードしてスマホやMp3プレイヤーで聞く様になり、カセットテープは、ほぼお年寄りのものだけになってしまいました。
 しかし、最近、外国の若手プレイヤーが相次いでカセットテープでもアルバムを発売して、カセットテープが復活の兆しを見せています。
 カセットテープは、ヒスノイズという雑音も多く、頭出しも時間が掛かり、保存状態が悪いとテープが伸びて聴けなくなり、音楽をデータ保存するより、かさばります。
しかし音が太く、自然な音がして、ずっと聴いていると雑音も心地よく思えてきます。
 私も最初カセットテープレコーダを買ってもらって、テレビやレコードプレーヤーの前に置いて録音していました。その後、自分のステレオをお年玉を貯めて買って、FMのアンテナを立てて「エアチェック(FM放送から録音すること)」をし、2台のカセットデッキを使って編集もしていました。
最近押し入れからそのカセットテープが何箱も出てきて、久しぶりに聴いてみました。聴くにしてもラジカセが壊れているものが多く、やっと動くものを見つけて、聴いてみました。その当時のことも思い出して懐かしくなりました。
 前にも書きましたが、すべて最新のデジタルなものが一番ではなく、古いアナログを見直すことも大事だと思います。
仕事でもパソコンで入力して出来上がりでなく、電卓で検算してみたり、どうしてこの数字になるか考えることも自分の知識を向上させることになります。
 ぜひ、年の多い人には懐かしい、若い人には新鮮なアナログの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。